#Collaboration4 大学共同利用機関法人
銀河の中心に巨大ブラックホールが存在することを世界で初めて確認するなど、これまで数々の業績を上げてきた国立天文台野辺山宇宙電波観測所。2019年に放送されたTSBテレビ信州制作のドキュメンタリー番組『カネのない宇宙人 閉鎖危機に揺れる野辺山観測所』*は、国からの交付金削減の影響で観測所が閉鎖の危機に直面しているという衝撃の事実を視聴者に伝えた。放送から4年が経った今、様々な努力によって閉鎖の危機を乗り越えようとしている。本特別公演では観測所の現状と未来、そして観測所で発見したブラックホールについて、第13代観測所所長の立松先生に講演していただきます。
国立天文台・教授
野辺山宇宙電波観測所長
総合研究大学院大学教授
京都大学理学部卒業。
京都大学大学院修士課程、名古屋大学大学院博士課程修了。
理学博士。
野辺山宇宙電波観測所研究員、テキサス大学研究員、茨城大学助手、国立天文台助教授などを経て、2007年より国立天文台教授。ハッブル宇宙望遠鏡の10倍の視力を持つ国際電波望遠鏡プロジェクト「アルマ」に従事した後、 古巣の野辺山に戻り、2017年7月より所長をつとめる。
夏の星空の楽しみ方
まずは、夏に見える星空について説明します。織り姫・彦星のちょうど真ん中を流れるのが「天の川」。我々が住んでいる銀河系を真横から見ています。この天の川を、肉眼や、もしあれば双眼鏡で観察してほしいと思います。その観察方法のおすすめを紹介します。
黄道12星座
2番目は、誕生星座のお話をします。夏には「てんびん座」「さそり座」「いて座」といった星座がみられます。それ以外にも黄道12星座といって12個の星座が誕生星座に使われています。私は天文学者なので「占星術」は全く信じませんが(失礼!)、黄道12星座について、ほんの少しだけ科学的に説明します。
野辺山観測所とブラックホール
野辺山宇宙電波観測所の最大の発見の一つ、巨大ブラックホールについて説明します。ブラックホールというと、なんでも吸い込む怖いもののような気がしますが、恐れる必要は全くないことを説明します。ゲンツェル博士らがブラックホールでノーベル賞を取りましたが、誠に残念ながら野辺山の発見はノーベル賞になりませんでした。野辺山の発見と彼らの発見はどう違うのかを説明します。そして、現在野辺山で行っているブラックホールの研究を紹介します。
野辺山宇宙電波観測所の共同利用の歴史と新しい取り組み
野辺山宇宙電波観測所は、1982年に予算総額110億円をかけて建設され、開所されました。以来40年間、国内外の研究者に無料で共同利用の形で望遠鏡時間を提供してきました。2022年度から、新しい形として、利用者に時間当たりの利用料をいただく「有料望遠鏡時間」という新しい仕組みを開始しました。
また、科学研究費の基盤研究(S)(代表者:立松)の支援の下、大阪公立大学、電気通信大学、国立天文台アルマプロジェクトなどと協力し、新しい7つ目玉の受信機「7BEE」を製作し、野辺山宇宙電波観測所45m電波望遠鏡に搭載して、科学観測をはじめました。新しい受信機によって、宇宙に漂う雲の年代測定ができるようになり、もうすぐ星が生まれる「臨月の雲」の研究ができるようになってきていることを、ご紹介いたします。
▶日時:2023年7月23日(日)14:40〜15:30
|会場|oViceバーチャル会場 野辺山45m電波望遠鏡ホール
講演会終了後、バーチャル会場で立松先生との交流親睦会を開催致します。宇宙やブラックホール等の最新天文学について質問してみよう!
■主催/一般社団法人日本サイトメトリー学会 第33回日本サイトメトリー学会学術集会
■後援/TSBテレビ信州
■座長/高橋 良(第33回日本サイトメトリー学会学術集会会長・杏林大学大学院医学研究科)・古屋智子(山口大学大学院医学系研究科分子病理学)
■一般社団法人日本サイトメトリー学会について:細胞の特性を計量的に研究し、医科学に応用することを目的とする学会です。会員は、細胞や細菌の大きさや形、たんぱく質の発現量などの特性を、蛍光色素などを使って1個ずつ光学的に測定するフローサイトメトリーや、それらを1個単位で分取するセルソーターと呼ばれる機器を使用し、基礎・臨床研究や臨床診断を行っています。
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
国立天文台 野辺山宇宙電波観測所
長野県南佐久郡南牧村野辺山462-2
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